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今、なぜ「幻魔大戦」なのだ?平井和正
最初に血管がぶちきれそうな力をこめていう。ぜひとも聞いて貰いたいことがある。 「幻魔大戦」は断じて宗教礼賛の書なんかではない。それは作者→平井和正の意図と完全に逆行する。血圧が上昇してじーんと身体が痺れてくるまで、渾身の怒りをこめて書かれた宗教ダメ論なのだ。 聞いてくれ! 作者→平井和正は、断じて、絶対に宗教及び教祖(カリスマ)を褒めそやしたりはしていない! それどころか、「幻魔大戦」とは、新宗教の教団で、腐った掃き溜めに首まですっぽり漬かるような、迷いと苦悩に明け暮れた作者→平井和正が、人生の総決算として描いた、「心浄らかにして純粋な若者たち」の輝かしい理想主義が敗退するむごたらしい過程を綿密に描いた渾身の「報告書」なのだ。 ところで、わたし→平井和正は自分自身に問う。「今、なぜ幻魔大戦なのだ?」 同じ問いを投げかける読者たちに、わたし→平井和正は答える。だって、ハルマゲドン真っ只中じゃないか、と。 「ハルマゲドン」とは、この世の悪と善の軍勢が戦いの帰趨を決する時だ。聖書に載っている言葉だが、わたし→平井和正なりにわかりやすくいう。 この世にあらゆる悪という悪が一斉に溢れだす時、総決算の時、それがハルマゲドンだ。人類が正気を失う時、この世が御破算で願いましては、リセットされ、再起動される時だ。(パソコン用語が身体に染みついているなあ。) 人類滅亡なんて大仰な言葉は使わない。人類はリセットされるのだ。リセットされたらどうなるか、それを「幻魔大戦」の作中人物の言動を通じて読み取ってくれ。(だいたいにおいて、現行のパソコンでは、使用中にリセットすると、沢山のファイルがいっぺんに壊れる。) わたしのいいたいことは、それだけだ。といったら不親切になるから、もう少し聞いて欲しい。 ここは大文字ででっかく強調しておこう。 人類の中には、神とか悪魔、霊とか玄妙な言葉を耳にしただけで、頭がくわっと灼熱するタイプの人々が結構な割合で存在する。 その人たちは、ゼッタイに本書「幻魔大戦」に触れてはいけない。あなた方は火傷を負うからだ。来世も人間で生まれたかったら、決して読んではいけない。(リセットという言葉の意味をこの文章から感じ取ってくれ) 火傷しやすい霊性を持った人類のタイプは、イデオロギーに触れると猛烈に興奮する。宗教も思想もイデオロギーだ。左翼思想だけがイデオロギーではないぞ。狂信の対象になるものは全部、イデオロギーだ。 「これだけは絶対に間違いない、これこそ正義であり、真理だ」と、一途に思い込む人類のタイプ。〇ウム真理教にのめり込んだ狂信者のタイプ。 よしりん、こと小林よしのりのいう純粋まっすぐ正義くん。 イデオロギーに憑依される人類のタイプは全部ひとつのタイプなのだ。(イデオロギーというのは、わたし→平井和正の理解するところではサタニズムが本質だ。) つまり悪魔に憑依されやすいタイプなのだ。大日如来の化身よしりんが、イデオロギーの狂信者たちと果てしもなく「幻魔大戦」しているのは、そのためだ。 もう一つ大事なことをいうから、聞いてくれ。 わたし→平井和正は、「言霊使い」と名乗っているが、導師でもなんでもない。わたし→平井和正の唯一の取り柄は、偽善者ではないことだ。 わたし→平井和正は好色なマントヒヒ的美青年なのだ。人類のお手本には断じてならないマントヒヒだ。 真正直ではゼッタイにないが、嘘をつきたくない時は黙っている。わたし→平井和正は、悪魔の囁きに悩まされ、大魔女アステリア(サタンの姪だそうだ)に誘惑され、サタンの分身?のルシフェルには「吹いてあげよう」との申し出を受けた。(神の叡知を与えようという意味である。) わたし→平井和正は、このような凄い申し出に飛びつくどころか、ひたすらビビって、逃げまくった情けないマントヒヒなのだ。 とにかく、こんなだらしなく弱虫のマントヒヒであるわたし→平井和正であるから、多少は信じて貰ってもよいと思う。 しかし、転んでも只では起きないところが、わたし→平井和正の僅かな取り柄であろうと自ら思っている。 1976年六月、わたし→平井和正は、新宗教の魅力的なカリスマにいかれ、側近となった途端、仲間の側近たちの激しいイジメにあい、カリスマの唐突な心変わりによって、幻滅し、宗教なんて××だと思い知らされたマントヒヒだ。 しかし、転んでも只では起きまい。必ずや宗教とカリスマの恐るべきイカガワシサと偽善性と、そして狂信者たちのアホさ加減を、小説化してやろうと心に誓って、再起した。 それが本書「幻魔大戦」なのだ! さあ、ちゃんと警告したぞ。 インチキなイデオロギーや魅力的なカリスマのご託宣を丸飲みにして、地獄の釜の蓋を開けてしまうキミ、開けるだけでなく飛び込んでしまうキミ、本書のページを開こうとするその手を引っ込めるのだ!
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